星が綺麗だと嫌なことも全部忘れられる

珍しく、真夜中にトイレに行きたくて起きた。

多分夫婦二人でのラストキャンプになるので、焼き日の火を眺めながらいつも以上にしみじみしてしまい、緑茶をがぶ飲みしたせいだと思う。

猛烈な尿意で目覚めて、激烈めんどくさかったけど、漏らすわけにはいかないので寝ぼけながらトイレに行った。

そしたら、満点の星空だったのでがぶ飲みしてよかったとは思いませんが、だるかったけど起きた甲斐があったと思いました。

iPhoneで撮れるくらいの星空で、まさに「数えきれないほどの」という形容詞がふさわしいほどの、夥しい数の星が輝いていた。

星の瞬きを見ていると、広い空の下で生きる自分という存在を客観視することができて、そうすると目の前で起こることも所詮この世界ではとてつもなく小さなことであって、そんなことに気持ちを動かされていた自分が余計にちっぽけに思える。

喫煙は指定場所でって言われているのに自分のサイト内で普通に吸ってる斜め前のおっさんも、ペットはリードにつなぐって言われているのに繋いでいなくて犬を脱走させる目の前のおばさんも、サウナの汗を流さずそのまま水風呂に直行するふざけた野郎も、交通の流れに沿わずダラダラ走る車も、追い越し車線に出てきて長居する大型トラックも、ウインカー出さずに車線変更する危ない奴も、全然美味しくないふざけた海鮮丼を1,650円で出しているお店も、SA内で停めちゃいけないところに平気で停めている人たちも、煮詰まっちゃったホットコーヒーを350円で売っている売店も、人生で一番おいしくなかった明石焼き売りのことも「まあいいか」って思える。

ぼくが見上げた星空の中には、ぼくがその光を見た時点でもう消えてしまった星だってあるかもしれない。

そんなことを考えたら、目の前で起こること全てがしょうもないことに思えて、イライラした出来事も忘れることができた。

忘れずに残っているのは、ブヨに噛まれた痒みと腫れくらい。許せない。

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